●書名:ベースボール・クリニック 2008年4月号
●版元:ベースボールマガジン社
●出版:08年03月(月刊/17日発売)
●定価:890円(税込)
●評価:定価相応
例年のように、アマ規則委員長の麻生紘ニ氏による08年野球規則改正についての解説が掲載されています。発売されたばかりの月刊誌ですので、関心のある方は書店でお買い求めください。
★一死一・三塁でライト線にヒット。
★三塁走者生還。一塁走者は二塁を空過して三塁へ。
★打者走者は三塁送球を見て二塁を狙うがタッチアウト(二死)。
★空過に気づいていた守備側が二塁でアピール。
★審判は空過を認めてアウト(三死)。
私がこの(一連の)問題をWebに投げたのは05年12月のことでした。今回、規則委員会の「統一見解」が示され、この事例はフォースアウトで無得点ということになりました。麻生氏は本件改正に至る経緯を説明したあと、次のように記述しています。
やれやれ、長年の疑問がこれで解決と思っていましたら、空過のケースとは異なりますが、次のような質問が寄せられました。よく勉強しているなと驚きました。この例題2は「敗れたり?亜細亜」のプレイです。今回の改正が発表された直後、私はほとんどリアルタイムでこの突っ込みを入れましたが、もともと私にとってはこちらが出発点でした。もっとも、それは読者の方から頂戴したメールがきっかけになっています。というより「敗れたり?亜細亜」自体が別の方から頂戴したメールによるものなんですが…。
<略>
例題2<略>打者が今度は外野飛球を打ち上げた。捕球されそうなので、一塁走者は一塁ベースの方へ戻っていた。しかし、外野手はその飛球を落としてしまった。このとき、打者走者は一塁を回って打球を見ていた一塁走者を追い越してしまい、追い越しアウトになってしまった。(37ページ)
さて、05年12月の私の投稿は、新年に入って私が忙しくなったので、自分から打ち切りました。ただし、本件はゾンビのような生命力を持っていたようで、ほどなく別の複数の掲示板で復活しました。そして複数のルートで規則委員のもとに届いたのです。
私はメールをきっかけに調べたことを集約しただけで、それ以外には何のアクションもとっていません。震源地に御せられているようですが、増幅しただけであって震源そのものではありません。ところで、麻生氏は本項を次のように結んでいます。
規則というのはすべてのプレイを包含、もしくは表現することは不可能で、あちこちに規則の盲点が潜んでいるため、条文の字句の背景まで理解しようと努めることが大切です。(38ページ)改正後の7.08(e)は次のような文言になっています。
7.08 次の場合、走者はアウトとなる。
(e) 打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁に触球した場合。(このアウトはフォースアウトである。)
ただし、後位の走者がフォースプレイで先にアウトになれば、フォースの状態でなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触球されなければアウトにはならない。<略>
これを読むと、「例題2」のケースでは第3アウトがフォースアウトでないことから、二塁はフォースプレイだと解釈する人のほうが多いでしょう。解釈が統一されただけで、誤解を与えない表現に改める余地はまだあるわけです。
「照会したらこういうことでした」はポチのやることです。麻生氏の次の世代には、記述上の不備を(もちろんアメリカを含めた) 諸外国とともに直してもらわねばなりません。いつまでもポチであってよかろうはずがありません。
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